2019年9月の記事一覧
機械科課題研究電車班の近況報告
機械科課題研究電車班の近況報告
3DCAD(INVENTOR(AUTODESK社製))で設計中の東武鉄道「大樹C11201号機」
※写真は、設計中の図面をレンダリングしたものです。
東武鉄道「大樹」製作を目標に4月から活動してきた機械科電車班(機械科3年17名)ですが、就職活動のため9月1日から9月30日まで製作を休止しています。現在、各企業さまからの「内定通知」を待ちわびている状況です。今回は、6月11日の大樹見学以降紹介出来なかった私たち「電車班」の活動を紹介させていただきます。
大樹見学以降、私たちは製作する鉄道模型の仕様を検討しました。「地域の子供達に喜んでもらう」が私たちの目標であり見て触って感じてもらうことを想定して検討した結果、ほんものの蒸気機関(ライブスチーム)にはこだわらず結果として蒸気機関車の迫力を表現できる模型製作を目指すことにしました。石炭を燃焼させるライブスチームでは子供達に触れてもらうことが出来ません。火傷してしまいます。また、最近の公園は事故防止のため火気厳禁なので走らせられる場所も限定されてしまいます。なので、春日部工業高校の機械科で長年実績のある電気モータを動力源とすることにしました。ただ、音と蒸気だけは、ほんもの迫力を再現する上で必要とのことで新たに研究製作することにしました。
鉄道模型では、実車をそのまま小さくするとなんとなく変な形に見えてしまいます。なので、デフォルメ(形を調整)が必要になります。大樹については、さまざまな都合で図面が入手出来なかったため、東武鉄道で昭和28年まで走っていた「C11101号機」の図面から寸法を割り出しました。(大樹に用いられている車体はJR北海道の「C11201号機」で細かなところ(ライトがカニ目)が101号機と違います。また、201号機については昨年の東武ファンフェスタにおいて見学させていただいた時の写真と今回「下今市」まで乗りに行った時の写真を参考に101号機の図面から細かな部分を再設計しました。
以前製作したミニ新幹線でも子供達は思わぬ所に触れるため、怪我をする可能性が沢山ありました。その都度改良して安全性を高めてきました。大樹についても安全性の確保は最重要事項です。精密模型のようになんでもかんでも尖った部品を取り付けるわけに行きません。かと言って、あまりに部品を省略し過ぎると残念な模型にもなり兼ねません。
長々と、書いてしまいましたが以上の事を紙の上で検討してもなかなかわかりづらいということで、原寸大の模型を製作してみました。材料はダンボールです。作ってみてわかったことがあります。部品数が多い。なかなかの迫力。
ダンボール製「大樹」
武蔵浦和コミニュティセンターに展示した「ダンボール大樹」
やっとの思いで仕様も決定し、夏休みは図面を描くことにしました。複雑な部品の干渉を考えながら平面で図面を描くのは大変なので、今回は授業で習った3DCAD(インベンター(オートデスク社製))を用いることにしました。
私たち電車班では活動目標に「コミニュケーション能力の向上」があります。夏休み中は中学生向け学校見学会での授業や施設説明でプレゼンを行ってきました。また、関東自動車大学校において開催されたイベントへの参加、武蔵浦和コミュニティーセンターで開催された鉄道イベントにも参加、プレゼンを行いました。
大盛況ではしゃぐ電車班リーダーのひらいくん
ビルの中なのでミニ電車を走らせるスペースはありませんが、ちびっ子達が見て触って喜んでくれました。
今年で9年目になる電車班の活動をプレゼンしました。
設計図がほぼ完成しつつあります。3DCADで描いた部品の一部はそのままのデータを活かして3Dプリンタで造形しています。車輪は、ほんものは鉄を溶かして型に流し込む(鋳造法)で製作しますが、本校には鉄の鋳造設備(アルミ用は有る)がないため旋盤とNC工作機械で製作することにしました。
3Dプリンタ(煙突部分を造形)
3Dプリンタで製作した蒸気発生器のカバー部分
モータは直流240Wを2個搭載
3DCADでフレーム部分を描いている様子
黒く色を付けてみました。
結構、良く出来たと思います。
電車班の作業は、10月1日から再開して文化祭には大樹を完成させる予定で頑張ります。頑張れ電車班。